グレイズ・アナトミー S12 第3話 決めるのはあなた
水曜 23:00~ WOWOW
S12 第3話 原題「I Choose You」
あらすじ
前回に引き続き、実習の場面から始まります。
体はいろんな可能性を持つ。メスを入れるたび様々な決断を迫られる。決めるのがあなたとは限らない。でもオペというのはたいていリスク承知で、自分で決断しなくちゃいけない。
アレックスの苦悩
二つの腫瘍、一つの肝臓
主治医が休暇中だという、双子妊娠中の女性が産気づいて運び込まれてきました。アリゾナは女の子と男の子の双子をとりあげますが、二人とも黄疸が出ており呼吸困難ですぐに処置が必要な状態。出産した母親が双子を抱いてあげることも出来ないままに、双子は新生児ICUへと運ばれました。
アレックスとアリゾナはデルーカとウォーレンを助手に、双子たちにあれこれと検査を行います。双子は肝臓に腫瘍があり、どちらも腎臓に浸潤。初期の心不全を招いている状態でした。このままでは双子は死んでしまいます。
双子の容態を両親に告げるアレックス、「二人とも腎臓や心臓、肺に影響が出ているため肝移植をすすめます」と説明しました。両親はパニックになりますが、ひとまず双子の肝移植のためドナーを探すことに。両親も適合検査を受けることになりました。
双子の容態はどんどん悪化します。幸い、父親が適合しておりドナーになれることが分かりました。しかしこのままでは双子のうち一人しか救えません。母親は適合せず、臓器ネットワークに掛け合うことになりました。
パニックになった母親が双子のどちらを救うかなんて決められない!とわめきますが、アレックスがそれを一蹴。「俺が決める、親には決められないし決めるべきじゃありません。だから医者がいる。より元気で見込みのある子が肝臓をもらう。もう一人は次のをもらう。俺たちが全力でドナーを探します。任せてください」言い切ったアレックス。かっこよかった。
それからアレックスチームは臓器ネットワーク、シアトルの病院にもかたっぱしから電話をして適合するドナーを探します。双子にはありとあらゆる検査をして他に合併症や異常がないか、どちらがより健康かを調べます。
しかし双子は検査結果も腫瘍のステージもほぼ同等。アレックスは「デカイのと複雑なのとデッドヒートだ」と皮肉を言ってました。アリゾナはそんなアレックスに一度帰って休むように助言。デルーカは臓器ネットワークへの連絡をつづけました。
病院に戻ったアレックス。メレディスから相談を持ち掛けられますが、逆に双子のことを相談しました。メレディスは「直観を信じるしかない」と助言。しかしアレックスはなかなか踏ん切りがつかないようです。「俺があの子たちなら俺みたいな男に人生託すなんてごめんだ」「自分が決断を下す男になるとは思わなったし、覚悟も何も出来ていない」「選んだ子が人殺しになって、選ばなかったもう一人が認知症の治療法を見つけることになったらどうする」と弱気になっています。メレディスは「そんなの考えなくていい、子育てと一緒でなるようにしかならないんだから最善を尽くすのみ」とアドヴァイス。メレディスのこういう冷静に割り切ってるところすごい。
それでも決断できないアレックスは、もうベイリーに決めてもらおうと自分の責任を放棄しようとします。しかし居合わせたアリゾナが「いっしょに飛行機に乗ってはじめてじっくり喋った日、こう確信した。彼ならやれる、小児外科医に欠かせない思いやりを持ってる」「あなたのことを誇りに思う、だから放棄しないで。あなたの患者よ。ベイリーに任せたらきっと後悔する。これが医師の仕事よ、だからこそ高い報酬をもらってる」とアレックスを勇気づけました。
アレックスは双子の両親に状況を説明。二人とも開腹して腫瘍の状態を直接確認、どちらに父親の移植するか決めることにしました。両親は手術の前にせめて名前くらい付けてあげなくちゃと、女の子にエマ、男の子にダニエルと名付けました。
アレックスはダニエルの、アリゾナはエマの開腹手術を、ベイリーは父親の肝臓摘出の手術を始めました。父親の肝臓はエマに移植することに。アレックスはアリゾナにエマの移植手術を任せ、自分はダニエルに一期的切除を試すことにします。成功する見込みはほぼありませんが、アレックスは最後の賭けに出るのでした。
アリゾナが執刀したエマの移植手術は無事成功。アレックスはダニエルの手術を続けます。しかし手術中にダニエルは肝静脈から出血。これは止血できましたが今度は心停止。アレックスが心臓マッサージを行い、心拍は再開しますが死線調律のため洞調律にはなりませんでした。デルーカは「まだやれることがあるはずだ」と食い下がりますが、アレックスはもうやれることはないと決断します。心拍の止まったダニエルをアレックスはそっと抱いてあげるのでした。
デルーカは子ども嫌い?
アレックスの助手を任せられたデルーカ。しかし「小児外科は第一志望じゃないもので」と渋ります。そんなデルーカをアレックスは「子ども嫌い」と呼びます。デルーカは「子ども嫌いじゃありません」と言いますが、多くは語ろうとしません。
ダニエルとエマの手術の準備中、アレックスはデルーカに「なんで子ども嫌いなんだ?」と改めて聞きました。デルーカは、実は高校を出て救命士になりやりがいがあったから医師を目指したけど、二度目の出動の時、救助しようとした女性が死んでしまった幼児を抱いたまま泣き続けているのを見てこの人死ぬまで一生泣き続けるんじゃないかと思った、それで小児外科をやめようと思ったということを語りました。子どもが嫌いなんじゃなくて、親に対して責任を負うのが嫌なんだって。
全ての手術が終わり、アリゾナとアレックスから結果を伝えられ泣き崩れる母親。デルーカは聞いていられなかったみたいでその場を去りました。
ジョーのもやもや
ジョーはエドワーズに何かを相談しています。もしかして、ジョー、妊娠した?!
その後ジョーはアレックスとエレベーターで出会います。そして唐突に「あなた子どもは欲しい?」とアレックスにききました。しかしアレックスはどっちつかずな返事。不思議に思ったアレックスが「何かあったのか?」とききますが、ジョーは言葉を濁し何も答えませんでした。
アレックスはアリゾナにジョーのことを相談。「女ってのは同居しだすと突然卵巣が暴走するのか」と皮肉たっぷり。アリゾナも「あなたいいパパになるだろうな~、きっと可愛くて口の悪い子が生まれる」「ひょっとしてもう出来ちゃってるとか?!」と笑っていました。
双子の検査の合間に、いったん家に帰ったアレックス。ジョーから突然話があると言われます。まさか妊娠を打ち明けられるのかと思ったアレックスでしたが、ジョーが切り出したのはまったく別のことでした。ジョーは荷物を整理していて、アレックスがイジーと結婚してた時に受精卵を凍結したという書類を見付けてしまったのです。アレックスは「もうあれは大昔のことで、必要に迫られてエロ雑誌見ながら紙コップに出しただけだ」と説明しますが、ジョーはなかなか納得しません。そして「私は何?!」とアレックスに詰め寄りました。しかしアレックスは病院にいる双子のことで手一杯、ジョーの話には取り合おうとはしませんでした。
双子の手術が終わり、家に帰ったアレックス。先に帰っていたジョーに話の続きを切り出しました。「俺はどこにも行かない、もし子どもが欲しいってお前が思ってるなら俺はオッケーだ!赤ん坊をつくろう、今すぐ!」とジョーに対して真剣であることを打ち明けました。ジョーは「何それちょっと正気?!」「今は無理!赤ん坊作るなんてナシ!」と応え、二人で笑ってました。良かった、めでたしめでたし。
メレディスの契約問題
出勤時のメレディス、同居人のピアースとアメリアを車に乗せていくらしく家の前で皆を待ってます。先にやってきたのはピアース。遅れてやっと来たアメリアは新車のシートにノーパンで座って着替えちゃってます。それを見たメレディスはやめてよ!と怒りますが、アメリアは「子どもたちがシート舐めない限り問題ないでしょ」と反論。そりゃそうだけどさぁ…。
そんな車内でメレディスの一般外科チーフとしての新しい契約書を見たピアース。なんだか変な顔をしました。それに気づいたメレディスが「その顔なに?」と聞きますがピアースは「気のせいよ」と言って教えてくれません。
出勤して、病院で出会ったトーレスに契約の相談をするメレディス。「ねえ、イチ診療科のチーフとしてワタシの契約書見て」とトーレスに契約書を見せますが、トーレスもやっぱり変な顔。メレディスがその顔は何?!と問い詰めるものの「私友達とお金の話はしたくないの…」とトーレスにかわされます。更にトーレスを問い詰めると「あなた安く見られてる、だいぶ。私もっともらってる、そこに書かれてるよりずっと」と教えてくれました。「つまりいくら?!数字で言ってよ!」というメレディスですが、教えてもらえなかったみたい。
仕事が終わって、アメリア、トーレス、ピアースとメレディスが家で集まって飲んでます。そこでもやっぱり話題はメレディスの契約の話に。そういえばメレディス以外のこの3人はそれぞれ自分の担当科のチーフなんですよね。「自分にふさわしい見返りを要求すべき!」「みんなやってるし私も頑張った!」と皆メレディスに発破を掛けます。
アレックスの手術中、見学室でウェーバーはベイリーに「この病院ではじめて女性の外科部長に就任した君が、メレディスに男性並みの給与を支払うことを拒むとは!」と苦言を呈します。しかしベイリーは、メレディスが自ら給与額の交渉をしてくることを願って低い給与額を提示していたのでした。「自分の力で闘わせて、乗り越えさせる。これがホントのフェミニスト」カッコイイね~さすがベイリー。やっぱりメレディスたち世代のお母さん的存在です。
仕事終わりに書類仕事をしているベイリーのもとへ給与の交渉にやって来たメレディス。具体的な金額は考えてるのかと聞かれて、メレディスが書類にその金額を記入すると、ベイリーは「これならなんとかなる」と即答。交渉成功。部屋を出ようとするメレディスに「グレイ、よくやった」と笑いかけるベイリーでした。
ピアースの憂鬱
出勤時メレディスの車の中でピアースがイーサン(元カレの放射線科の技師)の結婚パーティーに呼ばれたという話をしました。ピアースはイーサンとは、メレディスがいない時に半年くらい付き合ってましたね。「おめでたい話、どうだっていいわ、私にはオペがある」と強がるマギーですが動揺しまくり。
メレディスの家で集まって飲んでる時も、ピアースは「私は判断をミスってばっかりだしセックスのことで頭いっぱい!」とご乱心。「彼は別れて半年もたたないうちに他の人に出会って結婚を決意!あたしいつも判断をミスるの!」とよほどイーサンのことがショックだったみたい。「探査ミッションで地球に飛んで来たら故郷の星は爆発した!ここで暮らすしかない、私はエイリアン!そして独りぼっち…。みんなサイゴンよ!ここはギャラクティカ!」とか言ってましたが、これは宇宙空母ギャラクティカからの引用なんだって。
仕事が終わって、デルーカがジョーの店で飲んでいるとそこへピアースが現れました。「子供は嫌いじゃないんですが、死なれるとつらくて」「なんで皆、医師を信用するんでしょう」と仕事の相談を持ち掛けるデルーカの話もロクに聞かず、ピアースはデルーカにキス!「あなたキレイな目をしてる…」てちょっとピアース!! この二人どうなっちゃうんでしょう。
ケプナーとエイブリー
エイブリーは頑なに家を出て行かないケプナーに怒っています。ホテルに部屋を取っておくから出ていくようエイブリーは言いますが、ケプナーは「いい時も悪いときもよ!」と聞き入れません。エイブリーは病院でもウォーレンに愚痴ってました。ウォーレンは気を効かせて寝る場所が必要ならうちに来れば…と言いますが、エイブリーはあの家は賃貸契約書上、自分の名義だからケプナーが出ていくべきだと主張します。
しかし、仕事が終わってエイブリーが帰宅すると朝出て行くように言ったはずのケプナーが家で夕飯を作っています。不満なエイブリー。口論の末、エイブリーは「明日君が仕事へ行ったら鍵を交換する」と告げますがケプナーは「じゃあ帰る時バールを持って帰る!」と反論。エイブリーはもうお手上げ状態です。
次の日仕事が終わり家に帰ったケプナー。玄関の鍵は交換されていなかったし、家の中は電気がついていて、てっきりエイブリーがいると思って話しかけますが家の中にエイブリーの姿はなく…エイブリーはベイリーとウォーレンの家に泊めてもらうことにしたのでした。
最後のメレディスの言葉
厳しい決断を迫られた時、要はあなた次第。何なら耐えられる? おいて行ける? 良かれ悪しかれ、決めなきゃならない。何のためならとことん闘えるか。決めるのはあなた。
小ネタ
- ピアースの離婚した両親、母親はハワイで石鹸をつくってるらしい
- メレディスの新車はレクサス LX570
- メレディスが皆を車に乗せて相乗りしてるのは「子供たちのために地球に優しくって思うから」
- ベイリーは身長150cm
感想
今回は珍しくアレックスにスポットが当たったエピソードでした。アレックスよ、シーズン1でただの荒くれ野郎だったのにもう随分大人になって…。ずっと見てる身、しかもアレックスファンとしては嬉しい限りです。本当アレックスには幸せになって欲しいよう。アリゾナが言ってたいいパパになるわよ~ってのすごくピッタリで笑っちゃいました。
ピアースとデルーカの今後も気になるところですが、暗雲立ち込めるケプナーとエイブリーの二人の関係も気になります。というか心配。電撃結婚、しかも略奪結婚だった二人なのですが、いろいろな試練は結局乗り越えられないのかなあ。