Movie Journal

映画と国内外ドラマの鑑賞録です。基本的にネタバレ。

俺たちに明日はない (83pt)

1967年 アメリカ ドラマ/アクション

1930年代にアメリカ各地で銀行強盗を繰り返したボニーとクライドの物語がベースとなっている。ボニーとクライドの出会いから、二人の死までを描いたお話。

 

「ボニーとクライド」というキーワードには耳馴染みがある方も多いでしょう。それだけ世界的に有名な強盗犯なわけなのですが。クリミナル・マインドを見ていて、男女の強盗犯が出てくると「ボニーとクライド」というキーワードが出てきたりして、ちょっと興味を持ったのでこの映画を見てみました。

 

スタッフ

監督を務めたのはアーサー・ペン。2010年にすでに亡くなっています。お恥ずかしい話ですが、あまり古い映画を見ないのでこの監督の映画は初めて見ました。本作は、以降の映画制作に大きな影響を与えた作品なのだそう。

音楽を担当したのはチャールズ・ストラウス。「アニー」の楽曲の作曲をされた方です。

現在88歳。超大御所なのかな。余談ですがこの方は英語のWikipediaページはあるのに、日本語のWikipediaページがありません。この方に限ったことではないのですがスタッフ陣を調べているとよくあることなので、Wikipediaを使うような一般的な日本人はあまり映画制作の裏方には興味がないのかなあと常々思います。

クライド役を演じたウォーレン・ベイティががプロデューサーを兼務。

 

キャスト

クライド・バロウを演じたのはウォーレン・ベイティ。俳優でありながら数々のヒット映画の映画プロデューサーでもあり、作家・脚本家でもあり、ピアニストもしていた、という超多才な方。しかもイケメン。神は二物も三物も与えたんですね…

ボニー・パーカーを演じたのはフェイ・ダナウェイ。たくさんの映画・ドラマに出演されていて2009年までは連続ドラマのゲスト出演もされていた様子。

お二人とも、イケメン・美女の俳優さん女優さんですが、実在のボニーとクライドもなかなか美しいお二人だったようです。

f:id:moviejournal:20161020191858j:plain
(ボニーとクライド - Wikipediaより)

 

感想

スター性

そしてこの作品が世界的に大ヒットした理由は彼らの持つ「焦燥感」や「刹那的な人生」にあったのではないかと思い当たった次第です。1930年代といえば世界恐慌時代でギャング黄金期だったらしく、数々の強盗・殺人を犯したにもかかわらず彼らを批判しない人も多かったのだそう。楽しそうで、悪事を省みない彼らにはスター性すら感じるほどです。

音楽

作中使用されている音楽がとにかく「ファニー」。コメディシーンにも感じられるような音楽が使用されているのです。もっと悲壮感漂う壮大な音楽を当てれば、陰鬱で壮大で感動的な映画になっていたと思うのですがそこをあえてファニーな音楽を当てて、絶妙のバランスをとっている。このバランス感覚にこの映画の凄さがあるように感じました。

ファッション

個人的に注目したのがボニーの容姿です。彼女はいわゆる1930年代風ファッションに身を包んだ、ブロンドで痩せ型の女性なのですがこのボニーがとにかく可愛い。

f:id:moviejournal:20161020191919j:plain
見て、ほら、可愛いでしょ。1960年代当時の流行だったと思うのですが、つけまつ毛バッチリの目元強調メイク(「ティファニーで朝食を」のオードリー・ヘップバーンもこんなメイク、眉毛やリップ・チークは控えめ、髪の毛は基本盛り気味であくまで無造作な感じ…)。これが個人的に好きなこともありボニーの容姿はとにかく魅力的。そして薄い体にまとわれたファッションは、一周も二周も回ってもはや現代的。

f:id:moviejournal:20161020191924j:plain
この写真では分かりづらいんですが、このシーンでのワンピース?コート?姿もめっちゃ可愛かったです。そして個人的に一番好きなのが次のファッション。

f:id:moviejournal:20161020191911j:plain
緩めの黒いジャケット・スカートに、刺繍入りの白い深Vネックカットソーなのですが黒ストッキングに黒パンプスを合わせてモノクロにまとめあげてるんですが、洋服のシルエットがゆったりしているので硬すぎない。最近流行っている「こなれ感」とか「ゆったりシルエット」とかありますが、どちらもベースはこの時代のファッションにあるのかも、と思えてきます。

そしてどちらの写真にも共通するのですが、ボニーのトレードマーク的なベレー帽。最近も流行ってますよね、というかここ数年秋になると必ず流行りますよね。ベレー帽にブロンドのボブっていうのがこれまた可愛い…! このベレー帽を選ぶために世界中から何千というベレー帽が集められたそう。そして実際ボニーが被ったベレー帽は映画公開後に大流行したそうですよ。これ見たら被りたくなるわ、絶対。わかるわ。

まとめ

このブログに似合わずファッション談義などしてしまいましたが、それほどまでに目に幸せな映画でした。おおよそ50年前の映画ですが古さを感じさせない素晴らしい映画でした。作中たくさん登場するレトロなクラシックカーも可愛い。

50年前の映画に思いを馳せてみたい方、超有名な犯罪者ボニーとクライドに興味がある方、刹那的な人生を少しだけ眺めてみたい方にオススメ。逃亡中のボニーはくるくる着替えてくれるので、ファッションに興味のある方も楽しめますよ。

こんな映画もどうですか 

実在の犯罪者ベースということで、

moviejournal.hatenadiary.com

 

ファッションという視点から、

moviejournal.hatenadiary.com