Movie Journal

映画と国内外ドラマの鑑賞録です。基本的にネタバレ。

マグノリア (60pt)

1999年 アメリカ ドラマ

トム・クルーズ目当てで見ました。


前知識なしで挑んだのですが、これがまあ無謀でしたね。この映画は群像劇ということだけでも知って見るべき。
最初の方で "ああこの映画は群像劇なのか" と気付きましたが登場人物がとても多く、188分の長編なので見るのが大変でした。私はいわゆるライト層向け映画が向いてるな…と実感。正直途中でバテて、見るの止めようかと悩みましたがなんとか最後まで完走。

導入部で、偶然というか人と人との繋がりとはみたいなものの提示があります。そこでこの映画のテーマもこんな感じかな〜この映画はどんなふうに繋がりを描くのかな〜。という期待をもって見たのですが、その繋がりに関してはあんまりフォーカスされていないというか、繋がり方はアッサリしてました。繋がり方よりも個々人にフォーカスされた群像劇のようです。
というのもこの映画には "主人公" といえる人物がいません。出てくる人みんな主人公というか、みんな助演というか。なんかそんな感じ。で、みんなそれぞれ人生があって背景があって、まあなんやかんやで生きてます。的な。簡単にいうとそんな映画でした…

私は自他共に認める無類のトム・クルーズ好きなのですが、トム・クルーズってどの映画で見ても爽やかイケメン路線というか、笑うと歯がキランみたいなキャラですよね。爽やかではない役も演じられてるとは思いますが、なんとなくこんな印象。
そんな彼が、女性の落とし方をレクチャーする有名カウンセラーの役を演じています。そしてセミナーのシーンではハイテンションで汚い言葉や、ゲスいこと言いまくり!インタビューシーンでは白ブリーフでナチュラルハイ! そんな役もしはるんですね…と目が釘付けになりましたね。もうこのトム・クルーズを見られただけでも大収穫。
で、そんなトム・クルーズですが、中盤から終盤にかけてはシリアスでグッと観客の心を掴むような演技も披露してくれていて。やはりこの人は "何やってもトム・クルーズ" に違いないんですが、その "何やってもトム・クルーズ" が持っているキャラクターが多面的だなぁ、と。トム・クルーズなのにバリエーションがきっちりある。そこが素敵だなと改めて思いました。顔はもちろんイケメンなんですが、それに留まらない世界を秘めた人ですね。ファンの欲目と笑われそうなのでそろそろ止めます。

淡々と人々の奇妙な日常を描いた本作なんですが、ラストがなぁ… 私は正直受け付けませんでした。空から降る大量のカエル。土砂降りのカエル。しかもデカくて肉感がリアル。気持ち悪いよ… 道にも屋根にもガンガン降るカエル…カエルの血で汚れる車…翌朝落ち着いたかと思えば道に溢れるカエルを普通に轢いて車動かしちゃうし…
もうね、ほんとダメ。もともと爬虫類とか両生類とか苦手ですけど、この描写はほんとダメ。キラキラとか虹で覆い隠して欲しかった。

複雑な群像劇や、日常に潜む不思議なこと、オカルト的アイコンを探すのが好きな人、にはいいと思います。私のようなライトユーザーはダメ。
こんだけこき下ろしておいて、最後の最後にこんなこと言うのもなんですが… なんとなく "人生ってこんなもん" って思えたので悪い映画ではないと思う。この映画が描きたかったのはそんなテーマかなって。いいことも悪いことももちろんあって、みんな裏も表も持ち合わせていて、生きるって、人生って、人間ってこんなもんや。みたいな。