Movie Journal

映画と国内外ドラマの鑑賞録です。基本的にネタバレ。

映画 ビリギャル (82pt)

2015年 日本 ドラマ

中高大一貫校で学年ビリだった女子高生が、素晴らしい個別指導塾の先生と出会いめちゃくちゃ勉強して慶応大学入学を目指すお話。

 

原作は?

この映画の原作となっているのが、名古屋の青藍義塾という塾の塾長がストーリー投稿サイト「STORYS.JP」に投稿したノンフィクション作品「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」。投稿者の塾長というのがこの映画にも登場している坪田信貴。2013年に書籍化され、映画化されたのがこの映画です。

本が発売された時にもかなり話題になり、書店でもよく平積みを見かけました。タイトルが長いので通称「ビリギャル」。映画ではこの通称がタイトルとなりました。

 

キャスト

主人公のさやかを演じているのはドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」の有村架純。金髪はあんまり似合ってなかったかも。笑

塾講師の坪田を演じているのは「チーム・バチスタ」や「MOZU」の伊藤淳史。この方ってこう言う熱血系の役が多いですねー。今回の役もイメージぴったり。

同じ塾に通っている生徒として野村周平。さやかの母親役で吉田羊、父親役で田中哲司が出ています。

 

感想

魅力的なキャラクター

ノンフィクション作品を原作としたこの映画ですが、一言に「すごい」と思った。ストーリーがすごいというよりも出てくるキャラクターがすごい。それぞれのキャラクターが生き生きと自分の信念を持って動くことによって、素晴らしいドラマが生まれた感じです。
特に塾講師の坪田や、さやかの母親はすごい。坪田は「どんなに底辺の生徒でも指導次第で変えていける」という信念のもと指導に励む。さやかの母親は「娘にはいつでも笑っていてほしい」その一心で娘を支える。(母親が学校で居眠りへの理解を求めるシーンはさすがにどうかと思ったけど…)

さやかちゃん

そして主役のさやかがすごい。彼女は中高大一貫校というぬるま湯で高校2年生になるまでの5年間全く勉強せずに過ごしていて、もちろん成績は底辺、素行不良でエスカレーターで行けるはずの大学にも行けそうにないという崖っぷち。物語の序盤で披露される彼女の「バカっぷり」は並行ものなんだけど、中高大一貫校ってマジこんな世界。なぜなら私も一貫校出身者だから知っている。笑
一貫校から外部の大学に出て行くのは並大抵のことではありません。普通の学校と違って学校は一切のサポートをしてくれないし、受験対策の授業なんて皆無。この映画に描かれている通り、「学校以外の」すべての時間を受験対策の勉強にあてることになります。そして一貫校のゆるーい雰囲気の友達はもちろん受験なんて関係ない世界でのんびり生きているので必然的に友達とも付き合えなくなります。いくら友達が大学受験に対して理解があったとしても時間の問題で無理だと思う。

さやかちゃんはそんな状況でも慶応大学に行く!と決意して、素直にがむしゃらに頑張った姿がとてもよかった。彼女の「素直さ」はある意味武器だと感じました。

 

まとめ

中高大一貫校の雰囲気とかを知らない方は「そこそこ中学受験の大変なお嬢様学校に通ってたんでしょ」とか、「偏差値低かったのは特定の教科だけなんでしょ」とか斜に構えた姿勢で見てしまうかもしれません。だけど主人公が周りの目にも負けず自分を信じて高い目標に向かって頑張ったことはまぎれもない事実で、そしてそれを支えた人たちがいることも事実なのです。都合のいいモデルケースかもしれませんが、彼女の頑張りは賞賛に値するとおもいます。

素直に頑張る主人公になんだか元気をもらえる映画でした。頑張ってるのに上手くいかない方、何か頑張りたいことがある方にオススメ。

余談なんですが最近、頑張っている人を見ると感動して涙が出てくるようになりました…