Movie Journal

映画と国内外ドラマの鑑賞録です。基本的にネタバレ。

マイ・インターン (86pt)

2015年 アメリカ ドラマ

 

原題「The Intern」

ジュールズが経営する洋服のインターネット販売の会社に、70歳の男性ベンがシニア・インターンとして就職する。ベンはジュールズのアシスタントの職に就くのだが…というお話。

 

なんの先入観なのか「プラダを着た悪魔」のようにどうせまたアン・ハサウェイインターンから仕事を頑張っていくというサクセスストーリーだろうと私はたかをくくっていたのですが実際は真逆でした。

いわゆる「女性向け」映画ですが、とっても面白かったです。笑えるし、共感できるところもあるし、気軽な気持ちで見られる映画です。

 

キャストについて

70歳のシニア・インターン、ベンを演じたのはかの有名なロバート・デ・ニーロ。「ゴッド・ファーザー PART2」が代表作なのでしょうか。名前はよく聞くのですが、初めてこの方の映画を見たと思います。素敵な紳士を演じておられました。

ベンがインターンとして就職するアパレルのインターネット販売の会社の経営者ジュールズを演じているのはアン・ハサウェイ。「プリティ・プリンセス」や「プラダを着た悪魔」で有名な方です。私が一番最近見た彼女の映画は「アン・ハサウェイ/裸の天使」でしたが、10年経っても美貌は衰えていませんね。
  

 

監督

この映画の監督を務めたのは「ホリデイ」のナンシー・マイヤーズ。事業で成功した女性が家庭内の不和を抱えているというのはよくあるパターンではありますが、女性監督ならではなのか描き方がリアルだったように感じました。 

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感想

魅力的なキャラクター

シニア・インターンのベン

序盤のベンを見ていると、この人インターネット販売の会社になんか入ってついていけるのかしら…? と不安になるのですが、なんてことはなし。ベンはこれまでの長い仕事経験や人生経験を生かし、周りの信頼を得ていきジュールズからも信頼される存在になります。
このベンという男性が、かなり魅力的。70歳と高齢ではあるのですが、年齢や経験をうまく生かして人間関係を築いていく様がかっこよかったです。そしてとても紳士的。一緒に働く同僚たちにアドヴァイスすることや、ジュールズへの助言もすごく的確。そして出しゃばらず、自分の立ち位置をわきまえている感じ。私もこういう歳の重ね方をしたいなあと感じました。彼の台詞で特によかったのは

正しい行いは、迷わず行え 

 というもの。これは名言だと思います。他にもこの映画にはベンの名言がたくさんあって、そこに注目して見てみるのも面白いと思いました。

一生懸命な経営者ジュールズ

この方も、序盤では「自分勝手でワンマン経営な女経営者」という、あまり魅力的でない風に映るのですが物語が進み観客が彼女を知っていくと、彼女の魅力を感じられ、そしてとても共感を呼ぶキャラクターだと思います。これは映画の作り方が上手いとも言えるのでしょうね。
仕事にも家庭にも全力を注いでいて、タフで努力家。理想をきちんと持っている反面オーバーワークで常に余裕がない感じ。そして世間的には「成功者」なのですが家庭内の不和に悩んでいたり、ママ友付き合いに嫌気がさしていたりと割と庶民的なイメージ。この親しみやすい感じが中盤あたりからドッと入ってくるので「嫌な奴だと思ってたけど、意外といい人なんかも」効果かすごく魅力的なキャラクターだと思えます。

 

装飾面

ファッション

いわゆる「女性向け映画」だと記事冒頭で述べた通り、ファッションやインテリアも素敵です。
アン・ハサウェイのファッションは割とシンプルにまとめられているのですがセンスが良い感じ。でも過度に装飾的ではなくて、なんというか庶民的。ちょっと手を伸ばせば届きそうな感じのオフィス・カジュアル。髪型も毎日バッチリセットされた髪、というよりもよく手入れがされているストレートヘアで好印象。
こういう女性映画だと「毎日忙しいのになぜ髪をセットできるんだ」とか、「薄給なのになぜそんなにブランド物を持っているんだ」とか疑問が湧いてくることがあるんですがこの映画にはそれがなかったです。あくまでリアル。一般人がネットを利用して事業を成功させた、というエピソードもそうですがぶっ飛んだ「成功者像」ではないのが良かったと思いました。

そしてベンは紳士らしくいつもスーツ姿を通しているのですが、そのファッションセンスもどこかレトロでクラシック。映画の中でも取り上げられていますが使用している鞄にこだわりがあったりと、とても紳士的なんです。

インテリア

アン・ハサウェイの家は、小さい子供がいる家らしくどこか雑然としていて、すごく「家」っぽい。玄関から入ってくるベンに、ジュールズの夫が「落ちてるレゴに注意して」というところもリアリティがあっていいと思いました。小さい子がいる家庭なんて、どんなに片付けてもそんなもんでしょうから。

対してベンの家は、シックなインテリアでまとめられていて小綺麗な印象。クローゼットの中もピシッと整えられていて彼の性格が伺える装飾になっていました。

 

こういった装飾面でも二人のキャラクターの対比を描いているところがすごいと思った。視覚から得られる情報ってすごく説得力がありますから。そして成功者であるジュールズにあくまでも庶民的な感じをもたせているところが、共感を生む源になっているのかもと思いました。

 

まとめ

よく作りこまれた、面白い映画だと思います。これを見ると「明日からも仕事頑張ろう」って思えるかも。または「こんな歳の重ね方したいわ」って思えるかも。見た人を前向きな気持ちにさせてくれる映画でした。アン・ハサウェイは、やっぱりこういう映画が似合います。

毎日いろんなことを頑張っている方、気遣いってなんだろうって悩んでる方、ちょっと気持ちが落ち込んでいる方にオススメ。ロバート・デ・ニーロ演じるベンがとっても紳士的で素敵な男性なので、男性にも見て欲しい映画です。

 

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