Movie Journal

映画と国内外ドラマの鑑賞録です。基本的にネタバレ。

コヨーテ・アグリー (88pt)

2000年 アメリカ ドラマ

シンガーソングライターになるという夢のためニュージャージからニューヨークへやってきたヴァイオレット。彼女が偶然見つけたバー「コヨーテ・アグリー」でパフォーマンスバーテンダーをしながら夢を追いかけるお話。

 

先日「バーレスク」の記事にも書いたのですが、中学生だったか高校生だった頃に深夜放送で見たことがあります。あの記事を書いたことがきっかけでまた見たくなったのでAmazonプライムビデオでレンタルして見ました。便利な時代になったものです。

 

 

キャスト・スタッフについて

主人公ヴァイオレットを演じているのはパイパー・ペラーボ
コヨーテ・アグリーで働くバーテンダー役はイザベラ・マイコブリジット・モイナハンタイラ・バンクス。このバーのオーナーを演じているのはマリア・ベロ
特段有名なキャストを集めた映画でもないんですが、公開当時アメリカでは大ヒットしたんだとか。みなさんすごくお美しく、抜群のプロポーションです。

作中でヴァイオレットが製作したという設定の「キャント・ファイト・ザ・ムーンライト(Can't Fight the Moonlight)」はダイアン・ウォーレンの作詞作曲です。この方、映画「アルマゲドン」のテーマソングとして大ヒットしたエアロスミスの「ミス・ア・シング(I Don't Want to Miss a Thing)」を作った方。他にも1000曲以上製作されているそうです。すごい。そしてこの曲、とてもいい。


Can`t Fight The Moonlight

主人公ヴァイオレットが作中歌っている歌は、すべて歌手のリアン・ライムスが吹き替えしていて、リアン・ライムス本人役で出演もしています。

 

舞台となっているバー「コヨーテ・アグリー

この映画の舞台となっている、バーテンダーがバーカウンターの上で歌ったり踊ったり火を吹いたりするバーは「コヨーテ・アグリーサルーン」として実在しています。
もともとはニューヨークにあったバーで、「食べて祈って恋をして」の原作者であるエリザベス・ギルバートが自分がここで働いた経験を雑誌「GQ」の記事にしたことがきっかけで有名になりました。その後、記事をベースとしてこの映画が作成されました。

コヨーテ・アグリーサルーン」は、この映画の大ヒットによって店舗数を増やすことになり、現在はアメリカ国内に13店舗・アメリカ国外に9店舗、計22店舗存在しています。2000年代のアメリカでは「次のコヨーテを探せ」的な発掘番組も放送されていたそう。 

 

Coyote Ugly Saloon - The Most Famous Bar on the Planet

 

ストーリーについて

ストーリーは主人公ヴァイオレットのシンガーソングライターとしてのサクセスストーリーが基本で、そこにコヨーテ・アグリーでの仕事や、ステージ恐怖症、恋愛話、家族との関わり、故郷の友達のことなど結構盛りだくさんです。主人公はコヨーテ・アグリーでの仕事をきっかけに成長するのですが、盛りだくさんすぎたのか、ちょっととっ散らかっていてこのテーマが分かりにくいかも。

でも純粋に、挫折や寄り道もありながらのサクセスストーリーなので軽い気持ちで楽しんで見られると思います。

 

感想

深夜放送でこの映画を見た時に感じた、キラキラしたものに惹きつけられる感覚は今見ても健在でした。ただそれは、あの頃と比べて私も無駄に歳を取っているので、以前抱いていたバーテンダーたちへの「憧れ」とは少し種類の違う気持ちでした。

若さや美しさというのはお金では買えませんが、残酷なことにお金に換えることができます。女らしさを武器として使い、客からお金を取るという仕事はこの映画に出てくるバーテンダーに限らず色々な仕事があります。
そして、そこを生涯の居場所として、その世界でしか生きていけない人がいる反面、そこで大金を稼ぎそれを足がかりにしてその世界から飛び立っていく人もいます。

あの頃の私はそんな世界のこともよく知らず、キレイな女性が自分の美しさやセクシーさを武器に大金を稼いでるこのキラキラした世界がすごく美しく感じて、同時に憧れを抱きました。ただ大人になった私はこの映画を見て、世界の裏側を垣間見てしまったのだと思います。

だけど、この映画はそんな世界を舞台に、自分の夢を追いかけた主人公のサクセスストーリーなのです。この設定につい現実を見てしまう方には向かない映画だと思います。「そんなものは夢物語で、映画ならではの話」そう言ってしまえばおしまいなのです。
この映画は私たち観客に101分の夢を見せてくれる。楽しくてキラキラした夢の世界を見せてくれる、そんな映画なんです。

 

そして改めて見てみるとやっぱり「バーレスク」と似てるな、と思いました。ただ大きく違うのが「バーレスク」のアリが、その世界に自分の居場所を見出したことに対し、この映画の主人公ヴァイオレットはここを足がかりにして飛び立っていったことです。設定や雰囲気、ストーリーの流れは似ているんですが主人公の生き様が正反対なんです。なんでこの二つの映画を似てると感じるのか不思議です。

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最近なんとなく元気がない方、キラキラした夢の世界に浸りたい方、ダンスやパフォーマンスなど賑やかなのが好きな方にオススメ。冒頭に流れる「I WILL SURVIVE」に始まり、「Can't Fight the Moonlight」など作中流れる音楽もどれも素敵ですので音楽が好きな方も楽しめると思います。

こんなバー行ってみたいよ!