Movie Journal

映画と国内外ドラマの鑑賞録です。基本的にネタバレ。

あなたのママになるために (58pt)

2016年 スペイン/フランス ドラマ

乳がんを発病した女性が母親として、女性として生きる姿を描いたお話。

 

 WOWOWで少し前に放送されてたのを録画してたんですが、あらすじ読む限り暗そうだな…となかなか鑑賞にたどり着けなかった映画です。やっと見ました。

 

ペネロペ・クルス

主人公マグダを演じるのは「ヴァニラ・スカイ」「それでも恋するバルセロナ」のペネロペ・クルス。相変わらずキレイな方ですね。妊娠を報告するシーンの笑顔にやられました。今作では主演と同時にプロデュースも勤められているそう。

 

スペイン/フランスの映画だからか、無知な私はその他キャストやスタッフに知った名前はありませんでした。ペネロペ・クルス一本で勝負したのかどうなのか。

 

ストーリーについて

乳がんを発病した女性が、不和だった夫と離婚し息子のサッカーの試合で知り合った男性と恋に落ちて再婚。妊娠を経て出産するまでの話なんですけど、なんというか。なんだろう、この違和感は…というのが正直な感想でした。

違和感を感じる部分というのは、マグダが離婚前からアルトゥーロと親しげにしている場面であったり(それを息子にも見せている)、医師の診察場面であったり・医師と患者としての関係性であったりします。結構随所から違和感を感じました。これはフランスやスペインのお国柄というか国民性なのかも…と思う反面、日本人である私には理解しづらいことです。

そして最後の場面、いくらがんといっても出産直後に死ぬか?という部分。胎児ががんと闘ってくれていた、という描写がありそれについては「そんなこともあるのかもね」という感じ。だけど、その胎児を出産したからってそんな急に死ぬ?という疑問が浮かびます。これは妊娠中のマグダはピンピンしていたのに、というところから来る違和感なのかもしれません。結構唐突に感じました。

 

邦題について

この映画の原題は「ma ma」です。「ママ」だと思う。これが邦題は「あなたのママになるために」となっているんですが、この邦題はちょっと違うんじゃないかなーって。確かにこれでも分かるんですけど、これって生まれてくる女の子に対してのものとしか感じられなくて。すでに一緒に暮らしている息子はどうでもいいんかい、って思ってしまいました。私ひねくれてるな。
この映画が描きたかったのは「がん患者が妊娠して出産する」というピンポイントな部分ではなく、「がんを発病した女性がいかに母親として女性として生きるか」という物語なんじゃないのかなあってそんなふうに感じました。

 

まとめ

なんか全体的に「薄いな」といった印象でした。どっぷり人間ドラマみたいなのを期待してみると物足りないと思います。いろいろ詰め込んだら結果的にどれも薄くなった、みたいな。うーん、どうなんだろう。海や病室のシーンとか、映像がすごく美しくて、音楽もなかなか良かっただけにストーリーが残念でした。

ペネロペ・クルスが好きな方、きれいな映像や音楽を楽しみたい方にオススメ。