Movie Journal

映画と国内外ドラマの鑑賞録です。基本的にネタバレ。

スタンド・バイ・ミー (92pt)

1986年 アメリカ ドラマ

 小学校を卒業して、中学に入学するまでの夏休みに少年4人が死体探しの旅に出るお話。原作はスティーブン・キングの短編「The Body」です。

 

不朽の名作として有名な本作。以前、一度何となく見たことはあったのですがじっくり鑑賞するのは初めて。みんなが「良い」という超有名作品なので、ちょっと敬遠していた部分もあったのですが、じっくり見てみて正解でした。

 

出演者

物語の語り手であるゴードンの子ども時代を演じたのは、ウィル・ウィトン。子役時代からいくつか映画に出ていたらしく、この作品の後もいくつか映画やテレビドラマ、アニメにゲームと多彩な活躍を見せています。

精神病の父親にストーブで耳を焼かれたというテディ役はコリー・フェルドマン。今作以前から有名な子役で「グレムリン」にも出ていたそう。その後も数々の映画に出演。一時は大麻やヘロイン中毒になって苦しんだらしいけど、最近はリハビリに成功。ケイティー・ペリーの「Last Friday Night」のPVにも出演されているんだとか。

太っちょで明るい性格のバーン役はジェリー・オコンネル。この方は今作以前はCM出演していたそうですが、スタンド・バイ・ミーが映画デビューみたい。当時はぽっちゃりしていた彼ですが、今は見違えるほどの筋肉質。

そしてもう言わずもがなですけど、クリス役を演じているのがリヴァー・フェニックス。今作以降も数々の映画作品に出演していた彼ですが、23歳の時にクラブの入り口付近で麻薬の過剰摂取により亡くなっています。私の大好きな映画「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のインタビュアー役が決まっていて、撮影に入る直前で亡くなったそうです。映画は違う俳優さんで撮られたのですが、彼とトム・クルーズの共演はなんとも見てみたかった。残念でなりません。

あと、この映画にはもう一人有名な人が出演しています。これももう結構有名だけど、ドラマ「24」シリーズのキーファー・サザーランドがエース役で出演。見事にワルを演じていました。24シリーズで見慣れた顔なんだけど、若い頃からあんまり変わってないですね。

 

感想

小学校卒業、中学生未満という微妙な年齢に友達4人と大冒険。そんなのって滅多にないことだけど、照らし合わせてみたら自分の中にも同じような気持ちや感情の記憶はあって、うらやましいような懐かしいような不思議な気持ちになりました。そして、もうこの頃の彼らには戻れないんだという切なさもあり。
淡々としたストーリーではありますが彼らの間に交わされる会話から見えてくる彼らの友情にホロリとさせられてしまったのでありました。

私はなかでもクリスに感情移入してしまったかなあ。劣等生だと決めつけられ、正しいことをしたのにもかかわらず大人に裏切られて傷付いた少年。「誰も俺のことを知らないとこに行きたい」と言っていたクリスの気持ちが痛いほど伝わってきて苦しかったです。しかし彼はその後、周りに決められた自分の人生から脱却することに成功するのですが、彼らしい最後を遂げる。この辺りもなんとも苦しかった。
クリスに限らず、みんなそれぞれの事情や背景を抱えていて、そのまま大人になった者・ならなかった者あるんだけど、その辺のこともきちんと描かれている映画だったのでより感情移入して見られたように思います。

懐かしんだり、苦しくなったり、一緒に笑ったり、いろんな気持ちをあたえてくれるまさしく「名作」でした。純粋に冒険物語としてみる分には子どもも楽しめるだろうけど、これはあくまでも大人向けだと思います。「かつて子どもだった大人」向けの映画。

 

夏の終わりにオススメの映画、ちょっと心の中で節目があった人、子ども時代を懐かしんでみた人、名作映画が苦手な人にオススメ。