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Movie Journal

映画と国内外ドラマの鑑賞録です。基本的にネタバレ。

フィラデルフィア (83pt)

1993年 アメリカ 社会派

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1993年当時のアメリカは、AIDS患者や同性愛者に対する差別が今よりもかなり顕著です。そんな中AIDSにより不当解雇を受けた弁護士が、会社を相手取り法廷で闘うお話。


トム・ハンクスはこの作品でアカデミー賞をとったそうですが、それも納得の名演技を見せていました。AIDSは当時「治らない死の病」なので病状悪化とともにガンガン痩せていく姿がとても見ていてつらかったです。

デンゼル・ワシントンや、アントニオ・バンデラスと有名な方々が出ておられるのですがどの方も素晴らしい演技だったと思います。
アントニオ・バンデラスは個人的には「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」でのヴァンパイア役が印象深いんですが、今作では見事にトム・ハンクス演じる主人公のパートナー役を演じておられました。この二人の愛のドラマも良かったです。

あとすごく個人的に驚いたのが、「グレイズ・アナトミー」のミランダ・ベイリーを演じられているチャンドラ・ウィルソンが出ていてびっくり! すっごく若い彼女の姿が見られて得した気分でした。


ストーリーについてですが、まず1993年と現在との違いに驚きますね。私は1993年当時には未就学児童の年齢だったので、この時代をリアルに体験していないこともありかなり衝撃でした。
AIDS患者や同性愛者への差別や偏見って今ではそこまで顕著ではないと思うんです。表面的には「ない事」になってるというか。
なので1993年当時のこの現状にはかなり驚きました。AIDS患者への偏見があったことは学生時代に授業で習いましたが…みんなここまで声を大にして同性愛者を異常者扱いしてたのかと。しかもAIDSは同性愛者の病気で、輸血等が感染経路となっている人たちとは違い同性愛者がAIDSに感染するのは自業自得、的な扱いでした。信じられへん。

この風潮の中で主人公と、弁護士は闘うんですよ。周りにはもちろん理解者もたくさんいるんですけどね。弁護士も最初は同性愛者やAIDS患者に対して差別的、というかある種の恐怖を抱いていたんです。このよく分からないものに対しての恐怖は多くの人の心にもあり、これが差別や偏見を生み出します。だけど対象をきちんと知って理解する事でその恐怖はなくなる。そういうメッセージが込められた映画だと思いました。

20年かかって世界が変わった事はとても素晴らしいことです。この映画も、公開当時にはかなり反響も呼んだでしょう。だけど諦めず声を大にして権利を主張し続けた人たちのおかげで、世界は変わった。
同性愛者やAIDS患者に対する差別だけでなく、いろいろなものに対する差別的な考えはかなり穏やかになっていると思います。残念ながらまだまだ根深く残っている現実もありますけどね。そういった社会の動きも感じられる映画です。


本当にいろいろなことを教えてくれる映画です。差別や偏見について考えてみたい方、法廷ドラマが好きな方に特におすすめ。だけどたくさんの人にじっくり見て欲しい映画です。