Movie Journal

映画と国内外ドラマの鑑賞録です。基本的にネタバレ。

ビッグ・アイズ (80pt)

2014年 アメリカ ドラマ

ティム・バートン監督作品。
ウォルター・キーンを一躍有名画家にしたBIG EYESシリーズは真の作者は彼ではなく妻のマーガレット・キーンだった。実話に基づいたお話。

ティム・バートン監督らしくない、というかファンタジー色のない実話に基づいた人間ドラマです。これまでのティム・バートン作品とはかなり違うけど、とても面白かったです。
前半は、とにかくウォルターのムナクソ映画ですが最後はすっきりする終わり方で良いです。

というのも舞台がほとんど1960年代なので、この時代は女性が今ほど強い立場にはなかったことが伺えました。
母子家庭で子どもなんて育てていけない、だから再婚して、だから言いなりになって、だから絵も描いてきたけど…もうガマンできるか!コラ! というような感じで、宗教の力を借りながらも真実を語ることを決意したマーガレット大爆発!そして訴訟!ザマァ!みたいな。
前半で見てる側もフラストレーションを少なからず感じるので、それが結末でのスッキリ!に生かされますね。

ただ、ウォルターもただ悪いだけの人ではなかったような。お金に目がくらんだ夢見がちな口が上手い人(人はそれを詐欺師という)だったのかなぁ、とどこまでも彼を良く言えばそんな感じです。まあ私は嫌いやけどな。

そしてこの夫婦の人間ドラマに絡めて、アートとは、というテーマも隠されていた気がしました。ただ描いてるだけじゃ売れない、宣伝も戦略も必要。
この夫婦が健全な形で協力し合えていたら、また違った未来が待っていたのでしょうね。