Movie Journal

映画と国内外ドラマの鑑賞録です。基本的にネタバレ。

ワールド・オブ・ライズ (70pt)

2008年 アメリカ サスペンス/ミステリー

中東に潜入中のCIA工作員とそれを指示する上司、ヨルダン情報局の指導者の話。フィクションではあるがテロリストとアメリカの関係が垣間見える作品。
ジャーナリストのデイヴィッド・イグネイシアスの、中東とアメリカの関係を描いたフィクション小説が原作となっているそうです。

主演はレオナルド・ディカプリオ。かつての美少年路線も懐かしいですが、この作品ではワイルドでカッコイイCIA工作員を演じています。
またラッセル・クロウと、「キングスマン」にも出演しているマーク・ストロングが出演されています。ラッセル・クロウは個人的には「ビューティフル・マインド」の印象が強いんですが、今作では一癖も二癖もあるCIAの上司役。見ていてイライラするほどの好演ですね。

アメリカとテロリストとの戦いというのは今も続いていて、最近でも世界各地での自爆テロ攻撃が起こっていますよね。10年弱も昔の映画ですが、情勢的にはあまり変わっていないのかも?
この映画では対テロリストのCIAの戦い方が描かれているんですが、本当にこんなこと起こってるのかなぁ、起こってたら怖いなぁって感想です。現地協力者や工作員を人とも思っていないような冷酷なやり方や、何も知らない一般人を作戦のためテロリストに仕立て上げたり(これは他の映画作品でもあったような)。アメリカが本当にこんなことをやっているのだとしたら、いくら正義の戦いとはいえ良い事だとは思えません。
この映画をアメリカ人がどのような感性で見るのかは分かりませんが、第三者的立場である日本人の私が見た感想は「アメリカもテロリストもどっちもどっち」というものでした。そういう部分の風刺も含めている映画なのかもしれません。現地工作員であるレオナルド・ディカプリオと、決して現地で作戦に加わらず無人偵察機で事態の把握・指示をしているラッセル・クロウとの考え方のギャップもうまく表されていました。

一見難しいテーマのように見えますが、ハラハラして引き込まれていく映画なので見やすいと思います。中東情勢について明るくない私も楽しめましたが、詳しいともっと楽しめると思います。