Movie Journal

映画と国内外ドラマの鑑賞録です。基本的にネタバレ。

エリン・ブロコビッチ (85pt)

2000年 アメリカ ドラマ

3人の子持ちであるシングルマザーが、公害訴訟に奮闘する社会派エンターテイメント。

WOWOWで放送されていたので見てみました。最近WOWOWジュリア・ロバーツづいてるな。"食べて祈って恋をして" や "ジキル&ハイド" も放送されてました。特集期間なのかな?

この2作品も見ましたが、ジュリア・ロバーツとしては、今作が1番のハマリ役だったのではないでしょうか。少しはすっぱな感じもするシングルマザーで、毒舌・強気・勝気でありながら、どこまでも誠実で優しく人の痛みの分かる人。これが実話をもとにしたお話だというからビックリ。こんな人が実在するなんて、本当すごいです。

ストーリーとしては、出だしのコミカルな感じから、軽めのコメディなのかなと思いがちですが実はしっかりと社会派。公害のもたらす苦しみや、訴訟というものの意味を真正面から描いた作品です。
私個人としては、アメリカには "訴訟大国" というイメージがあり、なんでも訴訟で解決か…心の痛みもお金に換算するのね、なんてマイナスイメージを持っていたんです。だけど劇中のジュリア・ロバーツのセリフで、なんとなく合点がいきました。
少ない和解金を提示してきた相手方に対しての "あなたは自分の脊髄に値段が付けられる?" "あなたはいくらで子宮を売るの?" このセリフを、原告側に寄り添って、寄り添って、共に戦ってきたジュリア・ロバーツが言うんです。お金で責任を取る、ということがなんとなく分かった気がしました。

事実は小説よりも奇なり、とはよく言ったもので、この世には実話ベースの映画はごまんとあります。だけど、この映画は、良かった。
シングルマザーの苦悩や奮闘、子供たちへの愛、そばで支えてくれる人がいるという喜び、老弁護士の引退を先延ばしさせるほどの懸命さ、被害者たちにとことん寄り添った愛、この映画は素晴らしいもので溢れています。

訴訟の話ですが、弁護士資格を持たない聴取係にスポットが当てられていて、すじが難しすぎないのも良かったです。軽い気持ちで見られますが、きっと得られるものは多いです。ぜひ。